川崎市で新型コロナウィルスのワクチンの接種訓練が行われました。
来月下旬から接種を始めたいという政府の要望より、川崎市は厚生労働省と協力して27日に集団接種を想定した初めての大規模な訓練を行い、一連の流れを確認しました。集団接種の会場では、受付や予診、ワクチン接種、接種後の観察まで様々な行程があり、密にならないように注意しながらいかにスムーズに行うかが課題となっています。ワクチン接種は通常一人当たり1，2分かかるとされていますので厚生労働省は7時間で２８０人を想定しています。しかし、医者への質問などがあり、一番初めの人は１３分、最長で２６分かかったそうです。今回の接種する対象は大人ですが、当院ではインフルエンザワクチン接種を子供にする時に嫌がって逃げ回り暴れて２０～３０分かかったことがあります。１日に２８０名は余程の準備をして想定外のことが起こらないとしての数字ですね。
また、新型コロナウィルスのワクチン接種はインフルエンザワクチンとは違って肩に近いところに筋肉注射なので、冬の厚着をしている人はまず服を脱いで用意してもらわなければなりません。注射する時に、大人でも時々「ちょっと待って、心の準備が。」と接種するのを止める人もいます。テレビでの映像では、腕に垂直に接種している時に男性が顔をしかめているのがアップされていました。注射針は２５Ｇ（０．５㎜）と聞きましたが、筋肉に刺すのだからある程度の太さや長さは必要ですから仕方ないです。当院ではインフルエンザワクチンの接種は３２Ｇ（０．２６㎜）でしておりますので、２５Ｇはちょっと痛そうですね。注射の後は最低１５分、出来たら３０分副反応を診るためにも休んでから退出となります。接種での刺激だけでなく、新型コロナウィルスのワクチンという新しい試みの体験への緊張で気分がすぐれなくなる人もいるでしょうから、実際には１日何人無事に接種が出来るのでしょうか。
ファイザー社のワクチンは、１箱１９５本入りで１本５回接種が可能ですから、１度解凍すると９７５人分で、それを５日以内に使用しなければなりません。都心部で体育館のような広い場所で次から次に人が来るところならばワクチンも無駄なく使用出来ますが、少人数でキャンセルが出たり、山間部や離島などの人が少ない場所であると、ワクチンの温度の保存の問題だけでなく、１度解凍したら使い切らないと無駄になってしまいます。そういう細かい計算は現場に任されていますので、５日以上過ぎたら必ず破棄するように管理されているように願うばかりです。
余談ではありますが、新型コロナ緊急包括支援交付金（慰労金）が１月２９日にやっと振り込まれました。昨年秋に申請しましてから、かれこれ数か月。それぞれのスタッフがいつ何日間勤務したかを調べて、全て記入して書類を提出したのですが、１月２９日にやっと振り込み通知が届きました。同封された１枚の書類にはシンプルに振り込み銀行先と振込金額だけが記載されていました。一万円単位のはずが、何百何十円という端数も振り込まれていたので疑問に思って問い合わせをしようとしたところ、封筒に印刷されていた０３－からの電話番号は使用中止となっていて、他の番号に切り替わっていました。普通は問い合わせの電話番号が変更になっていたら印刷をし直しますよね。曲がりなりにも公文書なのですから。変更された電話に問い合わせると、端数の金額は振込手数料で人数分を加算しているという返事でした。総額が記載されているだけなので、おそらく私のクリニックだけでなく他の医院や病院も問い合わせたと思います。初めから人数や内訳、振込手数料について記載しておけば、問い合わせもなく余分な時間がとられないのにと思います。お役所も死ぬほど忙しいのだと思いますが、それぞれの私たちに要求する申請に関してはすごく細かいのに、何か月もまたされて ”えっ？これ？”と雑な仕事だと思わされてしまいました。
