北海道と大阪の病院はとうとう自衛隊に助けを借りるという段階になりました。確かに医療に携わる、それも特別なトレーニングを受けている人間の数は限られています。ウィルスも見えるわけではないので、どこにどのように感染者が増えていくかは結果を見なければ分かりません。しかしですよ、医療現場からは、春からウィルスは乾燥して気温の低い冬に流行するから秋以降は新型コロナの流行があるはずなので注意しなければならない、と言っていたではないでしょうか。この事態は十分に予測されたはずです。GoToトラベルで人が動けば、ウィルスも感染の機会が増えていくでしょう。小学生でも足し算ができればわかる話です。政府は、
「GoToトラベルによって感染が拡大したというエビデンスがないと専門家も言っている」
と述べていますが、東京大学などの研究チームが
「GoToトラベルキャンペーンの利用者のほうが、利用しなかった人よりも新型コロナウィルス感染を疑わせる症状が多い」
という結果を発表しました。東京大学などの研究チームは政府にとって専門家ではないようです。では誰が専門家なのでしょうか。かなり無理のある話です。自分にとって都合の悪いところは、説明もしないで強引にありもしないエビデンスの話で煙に巻こうとしても、この時点においてはもう誰も「はいそうですか」とは言わないでしょう。変に隠さず、
「オリンピックを開催したいので、世界に対して国内は安全に人が動いて経済が回っているように見せたい。」と、「そのために皆協力してください。」と、
言っちゃいましょう。新型コロナ禍でオリンピックはもういいと思っている人も多いかもしれませんが、GoToトラベルでこのように人が動くのであれば、4年に1度のオリンピック、しかも日本での開催というイベントですから、“GoToオリンピック”とキャンペーンを打ち立ててオリンピックに関わることを割引にすれば、参加するのではないでしょうか。そうして、入場口での検査を義務付けてPCR検査なり直ぐにわかる抗体検査をして、感染者観戦席と非感染者席と分けていけばよいではないですか。国外から来る人たちは不安でしょうから、自衛隊が誘導して安全に会場に届けるとかすればよろしいのではないでしょうか。
医療崩壊と騒いでいますが、医療に対してどのレベルを皆要求しているのでしょうか?そこを整理しなければなりません。数十年前までは90歳の人が手術をするなど考えられなかったのですが、今は当たり前です。高度な麻酔の技術と手術で無事に済むのが当たり前になっています。しかし、一度何か問題でもあれば訴訟になります。そして医療の対応が十分になされていないといわれるのです。クリニックの場合は予約なし出来た患者を10分待たせたら、「遅い」とクレームが来るというように、医療への期待感が大きすぎるのも難点な気がします。
そこで注目したいのが、神奈川県で新型コロナの感染者を年齢や基礎疾患などを基に点数化する新たな入院基準を導入したことです。この新基準は「入院優先度判断スコア」と設定して、75歳以上は3点、65~74歳が2点、糖尿病などのハイリスク因子は1項目あたり1~2点、無症状はマイナス1点などと点数化し、合計5点以上を入院の目安にしました。このように新型コロナでの受診や入院の必要性の目安が分かりやすいように点数換算出来るようにして、振り分けられるようにすることは時間の短縮にもなりますし、医師でさえ患者に説明出来る指標がないために戸惑っているのが現状なので、分かりやすく説明出来るという利点もあります。サクサクと振り分けて、トリアージをするしかないです。出来るものは出来るし、出来ないものは出来ないのです。新型コロナに感染した方には冷たいようですが、医療従事者が寝ずに命を削って対応するべきという医療体制も間違っていると思います。私の若い頃はそれが当然でしたが、時代が今は違います。それぞれがそれぞれの権利を主張する時代ですから、平等に行きましょう。