横浜市立大の研究グループは、新型コロナに感染して回復した人を調査し、98%の人が感染を防ぐ抗体が体内に残っている事を発表しました。
今年の2月から5月までに新型コロナに感染して回復した20代から70代の376人の「中和抗体」が残っているかのデータです。
海外では、この抗体がすぐになくなってしまう報告がほとんどで、このためワクチンを注射しても体内には定着せず2,3か月で効果が無くなりワクチンは年に何回も注射をしないといけないのではないかと論議されていました。新型コロナの感染が怖いからといって年に何回ものワクチンの接種は現実的ではないので、実際にワクチン接種を何回するかをどう決めるかが非常に悩まれていました。しかし、半年経ってしかも日本人のデータで98%の人に抗体があるという事は、今後更に1年経っての結果も出るでしょうから、最低年に2回もしかしたら1回でも大丈夫かもしれないのです。これは本当に貴重なデータです。海外では抗体がすぐになくなるという、日本のデータとかなり違う原因は海外のデータは日本程正確にデータを採っていないという事もあるようです。しかし、アジア地域の日本は欧米よりも感染数や死亡数が極端に少ないので、もしかしたら抗体が定着しやすい体質の為にそうなっているのかもしれません。ともかく朗報です。感染された方々は大変な思いをされたでしょうが、このように協力を頂いて本当に有難いと思います。
さて、抗体とはウィルスに感染した人の体内に出来る蛋白質でこのうち“中和抗体”と呼ばれるものがウィルスの感染を予防する効果があると言われています。100%予防できるわけではありませんが、新型コロナに感染して重症だった人ほど「中和抗体」の強さが大きくなるという傾向にあったというので、特に高齢で重症化してやっと生還した人にとっては「次に感染したら命を落とすかもしれない。」という恐怖から再感染しにくいと分かり少し安心できたのではないでしょうか。
今年はインフルエンザの発症が昨年や例年と比べて大幅に少ないようです。新型コロナに感染を予防するためにマスクや手洗いを徹底して行っている事も原因でしょうが、「ウィルス干渉」というある一つのウィルスに感染すると防御反応で減少しているともいわれています。これはウィルスの感染によってインターフェロンを体内で産生して新らたにやって来たウィルスに対抗するので、他のウィルスに感染しにくくなるという現象です。新型コロナとインフルエンザの同時感染の心配をしていましたが今のところはそれ程でもなさそうです。ただまだ分かっていない事が多いので、大丈夫だという確信は持てません。引き続き予防はしっかりしましょう。