ディープヌード(DeepNude)と呼ばれるアプリは、人工知能AIを用いて、服を着た女性の写真をアップロードして50㌦を払えばその女性が裸のように見える写真が手に入るというものです。しかし、瞬く間に反発が起こり、アプリ開発者たちはすぐにアプリの公開を停止しました。けれども他のアプリが似たような事をしているのが明らかになりました。テレグラムのモバイル版またはWebアプリからボットに写真を送るだけで、数分以内にヌード写真が手に入る仕組みになっています。このサービスは完全無料で利用出来ますが、100ルーブル、約1ドル50セント支払うごとにヌード写真のぼかしを除去したり、画像処理の順番待ちをスキップしたりすることが可能となっています。2020年7月の時点で、少なくとも10万人の女性たちが標的になっており、大半はそのようなことをされているのを知らない状況だそうです。
困ったものですね。人間の三大欲、食欲・睡眠欲・性欲、の中で性欲は生殖という他人にかかわりを持ち犯罪につながる可能性が高いのが難点です。他の動物と違って、子孫を残す使命が終わったら終了ではなく、愛情表現の一種であったり快楽を得るためにされたりと複雑な用途が加わり、多くの問題を抱えることとなっています。
私は医者という立場のせいか、性的な相談を受けることがよくあります。眼の診察が終わって、突然、EDの相談があったり、SMについてどう思うか意見を求められたりと、悩みは多岐に渡っています。多くはバイアグラなどの、薬に頼ることについての安全性を質問されますが、性行為の具体的な適正回数や適性時間などを尋ねられたりもします。かなり個人差があると思いますのではっきりとした答えは出来なく、個人の健康を損なわないのであればどんな回数でも時間でも良いのではと思っています。ある論文では、性行為によって脳に快感を得る麻薬類似物質が分泌されてその作用によってストレスから解放されてアンチエイジング作用があるとかが記載されていました。他では、男性が射精する精子の中には快感や幸福を感じる麻薬様の快楽物質が含まれていて、女性がそれを受け取ると依存性が生まれたりすると推測されていました。失恋すると大きなダメージがあるのは、相手を失うという精神的なダメージと肉体的なダメージ、それ以上に本人も意識していないその麻薬物質を得られなくなるという恐怖もあるようです。しかし、精子の中に含まれている麻薬様物質は仮定であって、まだ特定はされていないという事です。一説には性欲が旺盛なひとはその麻薬様物質が多く健康寿命が長いとも言われています。
海外は性教育がかなりオープンにされているようですが、日本は少子化をどうにかしなければならないと言っている割には、肝心な性教育がおざなりになっている印象があります。勿論非常にプライベートな事で個人差もありますが、医師の私が患者さんから質問されて一番困るのは、明確な解答を出せないということです。医師の立場として、患者さんが安心したり喜ぶ知識を伝授したいのですが、医師でさえも情報は限られています。外国人の友人に聞いたりしますが、人種、体質、文化が違うとこれまた参考にならない事も多いと思います。日本人同士での性的な平均や目安、子供の作り方、性的快感の得られ方、トラブルがあった時の対処の仕方などの指南書があれば良いなと思います。
えっ?私が創る?
う~ん、考えておきましょう。