数年前、友達から「知り合いの調子が悪く、診て欲しい。」と連絡があり、来院予定時間よりかなり過ぎても現れないので、道に迷っているのではと心配になりビルの1階で待っていたことがありました。その時、ハロウィーンの帰りなのか、思い思いに仮装した人達が通り過ぎざまに
「ナイス!」「セクシー!」
と褒めてくれました。なんと、白衣を着た姿をコスプレと思ったらしいです。まあ、毎日着慣れているものですから、普通の人よりはこなれていると思います。しかし自分では気付きませんでしたが、毎日コスプレをしているとは。道理でストレスが少ない訳です。他人が気分転換にここぞとする事を当たり前のように日常でしているのですから。
今年はハロウィーンの31日が数年ぶりに土曜の週末なので多くの人出が予想され、渋谷や六本木に人が密集しないようSNSでバーチャルハロウィーンのパーティーを開催して参加を促しているようです。開催する側は効果があるかどうかを心配していたのですが、元々ハロウィーンで繰り出す連絡はSNSで行われていたことが多かったので、すんなりと移行しているようです。なかには自宅でパーティをして楽しむという方もいるようで、例年のトラックを横転させたり、グループ同士での小競り合いで大騒ぎする可能性は低そうですね。元々、日本の伝統的なお祭りではないのですから、ここまで世の中が31日の人々の動向を心配するというのも不思議と言えば不思議なのですが。このハロウィーンは以前のブログにも書いたことがありますが、古代ケルトの収穫祭で死者や祖先の霊が家を訪ねてくる日本のお盆のようなものです。死者の霊に混じって邪悪な霊がやって来たりするので、それから身を守るために仮装が必要なのです。日本のお盆は仮装する概念が無いという事は、先祖だけが戻ってきて邪悪な霊は来ないという事なのでしょう。だからこそ、「鬼滅の刃」のようにレアな鬼が出てきて悪さをすることにが物語になるのでしょう。
私はと云えば、クリニックで独りこのブログを書いています。六本木はここから歩いて5分位なので、窓の外から仮装した人の嬌声が時折聞こえたりします。ある友人からはパーティの誘いがありましたが、こうしている方がいまは落ち着くので、コーヒーを飲みながらパソコンのキィーをカチャカチャとタップしています。今日最後に診察した患者さんはロシア人でした。さっきまで中抜けして行っていたマッサージの担当は中国人です。帰りに寄ったコンビニのレジの店員はインド人。今、ブログを書きながらムスリムのドバイ人とラインでクリスマスについて話しています。私は勿論仏教徒ですが、互いにクリスマス好き。明日は仕事が終わったら数学者であるイタリア人の友人と食事に行きます。日本にいるのに、つたない日本語と英語のミックスで過ごしています。東京、特に港区は人種のるつぼです。コスプレしなくても、様々な人種や職業の人がいて多くの刺激を受けます。
明日からとうとう、11月。もう冬ですね。ヨーロッパは日本よりも一足早く気温と湿度が下がり、これが新型コロナウィルスの流行を後押ししているとも言われています。クリスマス商戦を見越して早々とロックダウンをして、店をその時期に開店できるように準備しているとも言われています。ハロウィーンの悪魔払いが終わったら今度は新型コロナウィルス払いを皆でしましょう。そうして、新しい年を迎えるための準備をしましょう。