今日は午前中の診察が早めに終わったので昼休みが長くとれることになり、ヒルズにランチに久々足を延ばしてみることにしました。歩いて５分くらいの距離なのですが、近くて遠いのです。土日の午前中の受付は１２時３０分ですが、待ち時間が少ないのではと、ぎりぎりにわざと来院される方が多かったり、その患者さんの中で診察が終わってから、「実は他の内科の薬も処方して欲しい。」更に「皮膚かも。」と希望を出されて、それぞれの科のカルテを作らなければならず、結局１時半くらいに終了することが多いのです。そこからすぐに昼休みとはいかず、片付けや事務処理、午後の準備で３０分くらいかかります。受付は１２時３０分、診察終了は１３時と記載しているので、患者さんの中には１２時４５分に来て、
「検査も診察もいらないから、薬だけ欲しい。それなら１３時に終わるでしょう。」と言って粘るのですが、問診票を書いていただいて、保険証を見て情報を入力してカルテを作り、診察をしなければ法的に薬は処方出来ません。説明しても、怒って帰られる方や、「不親切だからネットに書きこむ。」と脅す方も少数います。そういう患者さんをなだめているうちに昼休みの時間が全くなくなってトイレにすらいけない事もあります。
やっと患者さんを送り出す間際になって、
「最近の人気のあるお店を教えて。」
と地図を描いて説明するように求めてきたりします。「電話番号を調べて」はまだいい方で、「そのお店の情報をプリントアウトして用意して。」と診察中にリクエストしてきます。
中には、小さいお子さんがマスクが苦手、とおっしゃるので、数日前にサンプルとして購入していた子供用マスクをサービスでお渡ししたところ、
「ミニーの柄が付いたのは無いんですか？この子ミニーが好きで。」
と言われました。ミニーの柄が入っているのはない事を説明すると、仕方ないなあという感じの顔をされましたので、私としては複雑な心境でした。
まあ、こういうことで時間が費やされて、ヒルズにまで行くのは数か月ぶりです。よく東京にいる人がいつでも行けるからと東京タワーに昇った事がないといわれますが、その類です。
GoToが始まったせいなのか、人出は新コロナが始まった以前位に戻っている感じがしました。レストランは待たずに入れましたので、込み具合からいって６~７割位の戻りでしょうか。今日はイタリアンでランチコースを選択しました。ここのお店はクリスマスの時に、とても斬新でユニークなケーキをプロデュースしている事が多くて、数年前長方形のケーキの上に確かホワイトチョコレートで創った大きな雪だるまを乗せていたのは本当に可愛くて拍手喝采しました。だからお気に入りの一つです。
前菜は小魚の南蛮漬けやハム、マリネ、ムースにスプラウトや花弁を散らして。お花畑のようでした。次に牛肉たっぷりのパスタ、しっかりとしたこしのあるアルデンテの麺、メインディッシュは６０度の低温で調理した鹿肉。柔らかくて肉という感じがしませんでした。鹿肉は特に臭みがあって硬いというイメージが強かったのですが、火の加減でこんなにも違うのですね。
以前北海道で一人レンタカーを借りてドライブをしたことを思い出しました。途中で道路に鹿が倒れていました。どうやらトラックに轢かれたようでした。私はどうしたものかと一旦車を停めてみていたのですが、その近くに狐が１匹来ていました。私は助けられるかと思っていたのですが、鹿は既に息をしてなく冷たく横たわっているだけでした。狐はご馳走として食べるために来ていたようで、私の方が体が大きいので、
「まずいな、せっかくのご馳走が持っていかれるなあ。喧嘩しても勝ち目がなさそうだし。」
と考えていたようです。後で猟師さんに聞いた話ですが、鹿はその場でしめないと肉に臭みが出て食べられないそうです。特に事故などのストレスを感じた場合は肉の味の状態が良くないので、猟をするときも苦しまないようにと撃つ箇所を考えているそうです。食べられる方も食べるほうも互いにストレスは良くないのですね。
さて、低温調理は食中毒を注意しなければなりませんが、高温での調理はアミノ酸鎖が変化して構成バランス崩れてしまいますし、更に過調理になるとアクリルアミドという発癌性が疑われている物質が生成されます。
