院長ブログ

コロナ時代

新型コロナウィルスの空気感染が心配されていますが、理化学研究所のチームが飲食店の会話時での飛沫の広がり方をスーパーコンピューターを使って計算した結果を発表しました。

60㎝角のテーブルに4人が座って話す相手の顔を見ながら1分程度会話した時のシュミレーションでした。正面に向かって話した場合飛沫ははす向かいや隣の人にはほとんど飛ばなく、はす向かいの人は正面に比べて4分の1程度だったそうです。その代わり、隣の人に向かって話す場合は正面に比べて5倍程度の飛沫が届くようです。皆さんGoToイートの時は気を付けて下さい。

 

米薬品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンは開発を進めている新型コロナウィルス感染症のワクチンの臨床検査で参加者1名に原因不明の病気が起きたとして、10月12日に治験を一時中断しました。詳細は一切発表されていません。以前、英製薬会社アストラゼネカも一時治験を中断していましたが、直ぐに再開しました。勿論何の問題も無ければ中止はしないでしょうが、膨大な研究費と時間を費やしているのですから、アストラゼネカと同様に一時的な中止でしょう。順調にいけば、年明けにでもワクチン接種が始まっていたかもしれませんが、おそらく少し伸びた位でしょう。新型コロナのワクチンは一筋縄ではいかないでしょうが、もしかしたら製薬会社がわざと慎重な体制で研究を進めているというアピールの一部かもしれません。通常は何年にも渡ってかかりますが、今回は異例の速さで進んでいます。全世界の人々の要望ではありますが、アメリカの大統領選挙までとか、オリンピックに間に合わせないといけないという政治的圧力も少なからずかかっているでしょう。いずれにしても早く何とかめどが立って欲しいものです。

 

医療機関には現在、厚生労働省から発熱外来診療体制確保のための支援補助金の資料が届いています。具体的な金額はここで公表はしませんが、高いのか妥当なのか良く分かりません。新型コロナの疑いがある患者さんを時間的・空間的に分離して診察体制を整えるのにどのような労力がかかるのか、リスクも含めて実際にクリニックにかかる必要経費は幾らなのかが、実際に診療が始まって患者さんが来院するというところまで始まってみないと分かりませんから、発熱外来を当院で始めるかは非常に迷うところです。死亡率が少ないとはいえ、もし感染すれば14日間は診療を中止しなければなりませんし、もし重症化したら死を覚悟しなければなりません。例え改善しても最近分かってきた後遺症の問題もあります。人助けをしたい気持ちもありますが、万が一の感染によって家族やスタッフやいつも来院されている患者さんへ迷惑をかけてしまう可能性も考えてしまいます。本当に答えの無い悩ましいところです。

 

新型コロナによって医療の体制も考え直される大きなきっかけとなりました。オンライン診療もその一つです。新型コロナが出てくる前から始まって一時は次世代の診療スタイルともてはやされていましたが、実際に始まってみると、診察の限界や未払などの問題も出てきていまいちぱっとしない感じでしりすぼみになりかけていました。しかし、この状況で再度注目を浴びました。先日、河野大臣がオンライン診療を原則解禁して、感染収束後も原則恒久化することで合意したことを明らかにしました。そうなると、医療機関もオンラインの体制に力を入れていくしかないです。特に近年は時代の流れに乗らずに遅れていったものは自然と消えていますので、仕事をまだ続けるつもりであれば良いとか悪いとか考えている場合ではなくて、頭を柔軟に切り替えるしかないです。

オンラインは医療関係者は感染のリスクが無く、患者さんにとっては交通費や交通時間もかからないという利便性があるので互いに得だと一見思えますが実際にはというと一概には言えません。例えば、私の手元にあるシュミレーションのデータがあります。

診療所で3割負担の患者さんに再審を1回行う場合を比較しているのですが、医療機関の収入は対面診療のほうが、4840円でオンライン診療は3650円と低いです。患者さんが本人という確実な特定が難しいことや、しっかり診察出来ないため誤診の可能性が高くなること含めると医療機関としては対面式を優先したいと思う気持ちが多いと思います。一方患者さん側では、対面式の方が診療費が高いと思われがちですが対面式では1450円でオンライン診療の方が1630円と高いのです。この様にオンライン診療は、実質面では互いに低いといえます。

全てが理想通りには望めませんが、新型コロナの事情も含めてそのうち時代が答えを出すでしょう。我々はその波に従っていくしかありません。

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