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ウィルスによる人類の進化

日曜の診療が終わってから新幹線に乗って富士山の裾野に来ています。勿論検診のお仕事です。月曜の昼終わると東京にトンボ帰りで、自分でもよく働くなと感心します。

今朝の富士山は山頂に積雪はなく、裾野にパールのネックレスの様な雲海が取り巻いていました。とても綺麗で女性的に見えます。今日の最高気温は再び30℃近くに上昇するという予報もあって、カーディガン1枚しか着替えを持ってこなくて正解でした。日中は夏が戻って来たかのように、蒸し暑かったです。

ところで突然ですが、1492年の今日は

「コロンブスがアメリカ大陸を発見した日」となっています。先住民が既にいたわけですから、正しくは

「ヨーロッパ人で初めて、アメリカに到達した」なのですが、学生の時の歴史では発見した日で学びました。その時のコロンブスの一行によって、天然痘、麻疹などの数々の感染症が持ち込まれ、抗体のなかった先住民の間で大流行となり、人口の減少と共に短期間でヨーロッパに征服される原因となったと言われています。しかし、その逆も然りで、風土病である梅毒がヨーロッパに持たされることとなりました。お互い様ですね。今も昔も人々は常に感染症との闘いを繰り広げていたわけです。

梅毒は通常性交渉によって感染するので、種族の純潔を守るうえでも避けたい事例です。以前、猫か犬のレポートでしたが、一度でも交配するとそのオスの遺伝子が残り、後になって生まれる子供がそのオスと同じような毛並みや模様で生まれることがあるようです。ヒトでは聞いたことはありませんが、精子も医学的に言えばいわゆるウィルスのようなものですから体内に入れば抗原抗体反応を起こしているわけで、通常ならば異物として排除して終わりです。しかし、その異物は取り込まれて結合してその後それによって新たなDNAやRNAが創られて、妊娠という胎内に共存する離れ業を生物はやってのけるわけです。この通常であれば起こるはずの拒絶反応が起こらないようにしているのが、遥か昔に人類に感染したレトロウィルスと言われています。更に胎盤や免疫やエネルギー生成などの様々な機能も以前感染して、既に人体の一部になったウィルスのおかげでもあるそうです。そのため、今回の新型コロナウィルスの感染によって、ヒトのDNAが進化したという学者もいます。

新型コロナウィルス感染症の重症度は6万年前のネアンデルタール人から受け継いだDNAが関連している説もあります。人類は2~4万年前に絶滅されたとするネアンデルタール人と交雑して、そのDNAを受け継いできたようです。

スエーデンにあるカロリンスカ研究所の神経学者が「第3染色体の遺伝子の一部が重症化と関係している」ことを確認しました。この問題のDNAを詳しく解析し、これまで見つかった化石人類のDNAと比較したところ、ネアンデルタール人のDNAのうち、33個のサンプルに問題のDNAが含まれている事が分かりました。これまでも、ネアンデルタール人由来のDNAは鬱やニコチン中毒といった症状の元になっていたり、子供をうまれにくくしたりする働きがあることが分かっていました。この問題のDNAを持つ人の住む地域はかなり偏りがあることも分かています。アフリカや日本を含む東アジアにすむ人は全く持たない一方で、ヨーロッパに住む人は約8%、南アジアに住む人の約30%が持っていました。南アジアの中でも特にDNAの保有率が約63%と高いのがバングラデシュでした。実際に、イギリスではバングラデシュ出身者が特に新型コロナウィルス感染症で死亡する確率が高いことが分かっています。

何万年もまえのウィルスの影響が現代に及ぼしているとは本当に驚くべきことですが、今回の新型コロナウィルスも何万年後かにどんな影響を与えたのかと検証されるのでしょう。おそらく。

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