今朝ニュースをたまたま見て、「えっ?」と絶句してしまいました。
先日の三浦春馬さんに続いてビックリしました。“コンフィデンスマンjp”という映画で共演されていたようです。人気があり多くの方から認知されていて、「女優」「結婚」「「出産」という女性が話題にする多くのものを手にしていて、自死などからは遠い人と思われる人がここまで追い詰められていたとは。俳優という仕事はどう見られるかをいつも意識して演技する職業なので、本人の気持ちが表には出ていないことが多いのかもしれませんが.......最近多いですね、ドラマ“ブラック・マンデイ”の出演者が次々に亡くなっているとか。
新型コロナという誰もが予測できなかった未曾有の災害が引き金になってしまった可能性は高いですが、何かモヤモヤしてしまいます。
先日からの、瀬戸大地さんの不倫報道など、勿論、してはいけないことをしてしまったのですから本人が悪いのですが、本人の仕事とプライベートは別物だと分けて考えられないとても窮屈な世の中になった気がします。近年、スマホなどですぐに撮影して写真や動画が送れて、SNSなどで多くの人に一気に配信できる便利なツールと言われるものが、逆に人々の自由さや夢を奪っているような気もします。
“言わぬが華”とか“建前と本音”や“寛容”という言葉がありますよね。もう少し、相手を許すという余裕の気持ちがあってもいいのではないかと思います。別に全部根掘り葉掘り聞きだしたりしなくても、知らなくて良い情報がほとんどで、匿名の人が正義感を前面に打ち出して相手を攻撃したりする程の必要性があるのかなと疑問に思うことが特に最近の報道には多いです。このような事を続けていると究極、怖くて誰も何も出来なくなってしまいます。もう少し、相手に対して見て見ぬふりを出来ないかと思います。
昔の俳優さんやスターは、“特別だから“と許されていた部分が大きかったと思いますが、今は逆に皆の厳しい目に監視されてただでさえも普通の人より厳しい鍛錬を続けないといけない生活を送っているのに気の休まる所が無いのではないでしょうか。
2年前、大阪市役所のHPに「救急隊員の勤務中の行動について」というタイトルの文章が掲載されました。ある日の午前7時前頃、患者を病院に送迎し終えた救急隊員が付近の自販機で飲み物を購入し、救急車内で飲んでいたのを見た市民が
「勤務中にこのような行動はありなのでしょうか?」
という質問が出されたそうです。これに対して大阪市は当時の状況を
「救急車内での血液付着が多く、そのふき取りと消毒に労力と時間を要した」と説明して
「次の出場に備え水分補給を行う必要があった」
と隊員らの行動を認める趣旨の回答をして理解を求めました。
昼食を自由にとることもままならない仕事に携わっている人に対して、周囲にはこのように非難する人が一定数います。
当院でも過去に何回か同じような事がありました。午前にぎりぎりに来院された患者が何名かいて診察が長引き、昼休みが10分も採れなくなり5分で昼食とトイレを済まさないといけない状況で午後に早めに来た患者さんが
「予定があるので、早く診察して欲しい。」と勝手に入って来てごねるのです。待っていただくように話しても大きな声で
「クリニックのスタッフの都合で待たされるなんて、ここのクリニックは対応が悪いとネットに後で書きこむ。」と怒り始めて、そうこうするうちに午後の受付の時間が始まって結局トイレに行けず、昼食も食べられず、という事が数回ありました。
診察時間は、公的に申請してHPなどの人眼に付きやすいところに表示してあるので、それをどうのこうのという人に対しては堂々と言える線引きがあるのですが、俳優さんの場合は作品での演技だけでなくプライベートもどこまでも公にさらされて当然という風潮になっていますよね。まるで皆で飼っている愛でるペットのような感じです。皆の好奇の目にさらされていて、普通の人以上に完璧、聖人君主、人柄が良く、料理が出来て、子育てもと、見えない要求が重なってくるのです。本人が選択した道だからと言ってしまえばそれまでなのですが、もっと互いに相手の存在を優しく見守れたらいいと思います。
本当のところ自殺の原因は誰にも分かりませんし、本人がそれで楽になれるのならば周囲があれこれと言うことではありませんが、出来るならば今生きてこの世にいる人間の間では助け合って天寿を全うしましょう。