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新型コロナと喘息の影響

新型コロナの6月以降の「第2波」が一定の落ち着きを見せる中、春先の「第1波」に比べて死者数は減り、確認された感染者数に対する死者の割合は低下しているという結果が出ています。これについて、国立国際医療研究センターの忽那医師は

「治療の手順がある程度確率したのが非常に大きい」

と述べています。5月上旬に国内で特例承認された抗ウィルス薬「レムデシビル」とステロイド薬「デキサメタゾン」、血液の抗凝固薬「ヘパリン」の3剤を併用することが定型の手順となり効果が出ている印象があるようです。ただ、ウィルスの弱毒化を示しているわけではないので、今年は時にインフルエンザのワクチンを打つことを推奨しています。

厚生労働省に提出された資料によりますと、国立国際研究センターのデータベースに登録された全国の入院患者約6100人のうち入院後に死亡した人の割合は6月5日以前と比べ、6月6日以降、どの年代も低くなっているそうです。70歳以上では6月5日以前が31.2%だったのに対し6月6日以降は20.8%と減少しています。

さて、8月初旬に開催された第1回日本喘息学会総会学術大会での発表です。

新型コロナの重症化の理由は、糖尿病や高齢、肥満が挙げられていましたが、喘息との関係についてです。

喘息患者は健常者と比べて気道に炎症があり重症化しやすいと考えられますが、新型コロナでの感染率は健常者よりも低頻度でした。これは喘息特有の治療である、長時間作用のβ刺激薬や抗コリン薬が新型コロナを抑制していたり、シクレソニドが毒性を抑制していると考えられています。さらに、健常者と喘息患者はステロイド薬への反応が違うことと、健常者はウィルスに対抗するためにACE2受容体(アンジオテンシン変換酵素2受容体)

が増えて感染しにくいのですが、新型コロナはこのACE2受容体を介して感染するため感染しやすく、逆に喘息患者では炎症でACE2受容体が少なく通常のウィルスには感染しやすいのですが新型コロナに限っては感染しにくいようになっているようです。しかし、RSウィルスに感染すると喘息患者でもACE2受容体が増えるので注意が必要です。

喘息であることは偶然にも新型コロナには防御的に作用しているとみられていますが、他のウィルスに感染しないよう、うがい・手洗いなどを行い感染防止に努めることが大切です。

 

おお! 私、喘息持ちで良かったぜえい。超ハッピー?

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