19年前の今日、NYのテロ事件が起きたことは世界中の人が知っています。現実とは思えない、あまりにも同時多発の大規模なテロに皆震え上がりました。後に陰謀説などが囁かれて、今も真実は闇の中です。けれども現在我々は911よりも身近な新型コロナというテロに毎日攻撃され続けている悪夢を見ています。終わりの見えない戦いをいつまでどのくらい続けるのか判断に迷うところです。
「先生、クリニックのパソコン、どこまでセキュリティをかけたらいいでしょうか。」
とスタッフに問われても最新のシステムにめっぽう弱い私にとっては的確な判断や指導が出来るわけでなく、飛び込みの営業で
「ここのシステムは弱いから直ぐにOXOXを入れたほうが良いですよ。」
そう説明されると、そうなんだ、と信じてしまいそうな位素人です。
しかし、天下のドコモでさえも、ドコモ口座から不正引き落としがあったというので、100%安全というのは無いという事で変な安堵感がありました。以前、銀行も情報漏洩がありましたよね。こういう情報が命、信用が命である会社はかなりの高度なセキュリティ対策をしているはずですから、これが破られるというならば、どんなにしても駄目なものは駄目なんです。第一、うちに犯罪的に狙われる位の重要な情報はそんなにないはずなので、大きなリスクを冒してまで狙われるかどうかも、怪しいです。
さてさて、情報漏洩の一つではありますが、俳優の伊勢谷友介さんが大麻所持で逮捕されましたね。随分前からマークされていたとはいうものの、内部リークでの情報漏洩からでしょう。でも、違法だと分かっていて止められないのは悲しいですね。他にハイになれる楽しみを見つけられなかったのでしょうか。ブログを書くとか。でも数年経ってほとぼりが冷めたころに表舞台に出てくるのでしょう。捕まるのも、一つのショーのようになっていますから、華麗なる経歴に他人とは違ったエピソードとして組み込まれるのでしょう。
現在日本では大麻は違法扱いですが、将来は医療用としてなどで一部解禁されることもあるかもしれません。今回の事も何でもない事になってしまう時代になるかもしれません。新型コロナウィルスの問題で社会全体が閉塞感に包まれていますからこの先何があっても驚くことはありません。
私は元々の専門が麻酔科で、“麻に酔う“という字のごとく、ドラッグで人間を麻痺させるのが生業です。大学病院の手術室という多くの”薬“に囲まれて使い放題の(ように見える)楽園におりました。研修が始まったころ、上の先生から「一通り匂いを嗅いどけ」とか実際に少量の薬を注射して体験などをしました。こういうことが常習のきっかけになるのでしょうが、幸か不幸か、私は、薬品会社の接待料亭と同じく、体に合わなく頭が痛くなったり気持ち悪くなりお腹を壊してしまうのです。どんなに睡眠時間が短くても、賞味期限が多少過ぎていても大丈夫な身体なのに、超高級なお肉や大トロ、ドラッグ、は受け付けないようです。人生を楽しめないのである意味不幸です。この研修時が原因だったかは分かりませんが、約1年後同期が医科学研究所で麻酔薬を自ら注入して亡くなりました。当時、名前は伏せられて新聞の記事になりました。私は、彼が亡くなる1週間前までよくメールのやり取りをしていました。研修で疲れ切っていたので、私なんかはキーボードを叩く速度が遅く10行位でへたばっていたのですが、彼はいつも3枚、3000文字以上の文章を書いて送ってきていました。内容はというと、医療の在り方や将来の展望という初めから終わりまで極めて真面目なものでした。医師の過酷な労働についての改善について現在では当たり前な主張になりましたが、旧体制では多少煙たがられていることもありました。あまりにも真正面から挑んでいたので、本当に本人は大変だったと思います。
何か一筋に才能を発揮する人間は時として後戻りできなくなるのでしょうか。そういう時に、薬に溺れてみたり、それでも納得がいかなくて向こうの世界に行ってしまったりするのでしょうか。
自分は時折、中途半端な人間だなとか、何もなさずに来てしまった、とか考えたりします。しかし、まあ自分なりに精一杯やって来たと、他の方法や道でも同じような感じだったろうな、と納得しています。理想はあっても完璧に出来ないのも自分の個性で唯一無二、この時代に出くわしたのも天命と思っています。
自分で出来るところまでが限界。限界を決めるのも自分。そう言い聞かせて進んでいきましょう。