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光免疫療法 

お隣の韓国では先月から医師のストライキが続いていたそうです。日本ではあまりこのニュースを取り上げていませんね。もし、日本の医師も啓発されて同じようにストライキをしたら困るからでしょうか。韓国では政府が医学部定員の拡大を推進していて、それに反対する研修医らが先月下旬からストライキをしていました。今日、韓国政府と医師側は医学部定員の拡大を中断することなどを条件として合意したそうです。ただし、これで全面的に混乱が収束するかは不透明だそうです。イタリアなんかはストライキをする前に、全員が体調不良を訴えて現場から逃げてしまいましたっけ。やはり国民性が出ますね。日本人は個人で訴えるというよりも、医師会などの団体で問題を挙げて話し合う方向に持っていきますよね。医療従事者として仕事の手を止めるという発想は私の世代ではないです。しかし、ここ数年研修医の勤務体制や医局制度の崩壊でかなり変わりましたので、私よりも若い世代の医師は事あることによっては、ストライキもするかもしれません。

最近、新型コロナのニュースばかりで面白くないですね。致死率も死亡数ももっと多い病気はあるのにここまで注目され続けているなんてちょっとずるいです。本日は、癌に光を当てて治す、という「光免疫療法」が年内にも世界初で実用化承認されるというニュースです。身体の外から近赤外光を当てて癌細胞を死滅させる治療法です。今回は頭頸部癌の治療薬として製造販売が正式に承認される予定となりました。了承された薬剤名は、これが覚えられない位長いのです。「セツキシマブサロタロカンナトリウム」。

日本昔話で、“長い名前を付けると長寿をあやかる”というので

『寿限無(じゅげむ)寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来松、風来末,食う寝るところに住むところ、やぶからこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシュリーガン、シュリーガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンぽコナーの長久命の長助』という名前を付けたというのがありましたよね。寿限無は寿命に限りがなく永遠に死なないという意味のようです。他の言葉も、多いとか長寿を意味する言葉のようです。横道の逸れましたが、近赤外線、こたつやストーブなどで温かくなる光ですね、これは当たらなければ反応しないのでピンポイントで癌細胞を攻撃できるのです。

私は若い時、頭頚部の癌では食道癌の手術の担当をよくしていました。腹部の臓器を一部取り出して癌に侵されている食道を切除した代わりを造り移植するという時間がかかる手術です。血管が密集しているところなので出血しやすく、全身麻酔の為の気管チューブがすぐ喉の横に入っていますので非常に気を遣う手術でした。それにこの手術をするという事は、ほとんどの場合もう今迄の普通の生活は出来なくなり病院で最期まで過ごす可能性が高かったのです。今の新型コロナ以上に失われるものが多く、毎回その後を知っている私としては手術を担当する時に、心が締め付けられました。長時間の手術中は何が起きるかというリスクが多く手術後も体力の消耗が大きく、治すというよりも延命に近い意味がありました。手術後感染の為に亡くなる方も多く、見ていて身体にメスを入れるのは最終手段だなと思いました。それが、切らずに、それも癌細胞のある場所のみに限定して治療が出来るなんて素晴らしいです。放射線でなく赤外線という熱のみですよ。

将来的には外科的治療はどんどん少なくなり、注射という針もなくなる、という事です。三大疾患の癌がこの様に治療が出来るようになったら寿命が更に延びるのではないでしょうか。平均寿命100歳もなまじ夢ではない感じです。そうなると、新型コロナだけでなく次のウィルスその次のウィルスに悩まされることになるでしょうね。

まあ、頑張りましょう。この時代に生まれたのも何かの縁です。

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