将棋の藤井聡太「二冠」が誕生しました。八大タイトルの一つ「王位戦」を制して、棋聖に続いて王位を獲得しさらに八段に昇段。いずれも史上最年少記録更新だそうです。ニュースで騒いでいるので、凄いのだろうと思いますが、どのくらい凄い事なのか実はさっぱり分かりません。
“このレベルになると、実際の凄さはこのレベルに近い人にしか分からない“
とワイドショーで言っていましたが、正解だと思います。お目出たいことは良い事として祝いましょう。兎にも角にも何かに集中して上を目指す姿は美しいです。
“コロナの第2波” “ワクチンが定着しない” “後遺症が酷い” などの暗いニュースが多い中、唯一に明るい話題を常に提供している事に救いがあります。
「これからどうすればいいのか?」
と将来を不安視している方は多いと思いますが、このニュースを見て、
「将棋ってどんなものだったかな。」
「子供が将来藤井聡太さんみたいになれば。」
と単純に将棋をしてみよう、という目的意識を引っ張っていく力があって精神衛生上にもいいと思います。それに18歳の年齢や風貌からして、お酒や暴力、女性スキャンダルは早々には起きそうに無いので、皆が安心して贔屓に出来るというのが人気の秘密でもあると思います。
さて、この藤井聡太さんの親なるものはいかがなのでしょうか?一説にお父様は将棋の腕前は初心者レベルという事です。あれ?少し意外でした。元将棋のプロを目指していたとかで、聡太さんに英才教育を施していたのだと、勝手に想像していました。ご職業がサラリーマンで住宅総合メーカー“LIXIL”にお勤めとか。あれ?今回の新居の内装をお願いしている会社ではありませんか。1か月ほど前に新宿のショールームに行きました。ちょっと親近感が湧きました。ほとんどワイドショー好きの主婦レベルの感覚ですが。(そうでない主婦の方々、すみません)
一体どうやってこんな天才が育ったのでしょうか。ちょっと謎であります。ステージママのような存在も聞きませんし、自らの意思で育ったのであれば本当に凄いですね。私は少なからずアマチュアからプロのスポーツ選手を見て来ましたが、大人の世界での駆け引きに巻き込まれて潰れていった多くの才能ある人知っています。藤井聡太さんの場合もまだ先が長いので、願わくは良いマネージメントがついて将棋をする環境や金銭的にも私生活も守れる生活を維持出来るようであって欲しいものです。
というのは、私の父親の話で申し訳ないのですが、数年前に秋の勲章を頂きまして春の園遊会などに呼ばれてから、教授から学長への話がありました。しかし、現金なもので父は
「学長になってのメリットってなんですか?お給料はどのくらい上がるのでしょうか?」
と尋ねたそうです。回答は
「給与は同じで変わらない。その代わり、役職として兼業が出来ません。」
と言われたそうで
「じゃあ、アルバイトが出来なくなるんだったら、収入が下がるじゃないか。嫌だね。」
と断ったそうです。学長という立場での仕事が増えて、研究や後進を育てる時間も減ってしまうのがもっともな理由だったそうです。我が父親らしい、実を取った結果でした。実際に父の叔父が学長になったり義理の兄弟が医師会長を務めているのを間近で見ていて、その苦労を知っていましたので、現代っ子というところでしょうか。普段はとても固く完璧主義者に近いのですが、ある海外の学会でついでに旅行と、母とアテネのパルテノン神殿を散策していると、同じ学会のグループの人が
「あれ?ミスターは確か今日発表で受賞の日では?WHY?ここにいるのですか?」
と尋ねられて初めて忘れていた事を思い出したという具合です。私は、おそらくこの後半の性格だけ似てしまったのだと思います。
父の口癖は “いい塩梅”。やり過ぎても、足りなくてもいけない。丁度必要なくらいを見極めるセンスが大切と言っています。私も己の力量を見極めて、その中で精一杯発揮出来る様工夫しているところです。