最近外出をすることが増えたせいなのか、患者さんから髪の毛の相談をよく受けます。私が女性でもあるためなのか、意外にも女性からの相談の割合が多いのです。男性の場合は有名な飲み薬を処方しまして服用していただきますが、女性の場合はホルモンの違いで男性と同じ治療は出来ません。どちらかというと男性よりも女性の方が難しいです。私が不勉強なせいもありますが、男性の飲み薬は本当に服用を継続すればほとんどの場合増毛効果が表れて満足されています。女性の場合は髪を長くすることもあって時間がかかります。
さて、薬にばかり頼らずに平常から気を付けましょう。
シャンプーで毛穴に溜まっている余分な皮脂を洗い流して、頭皮をマッサージして血行を良くします。夏の暑い湿度の高い時期は、帽子を長時間被って、頭皮が蒸れないよう気を付けて下さい。
食べ物もやはり重要です。髪の毛は「ケラチン」というたんぱく質がおよそ90%占めています。この「ケラチン」を作り出すためには良質なアミノ酸をやビタミンBや亜鉛を多く含んだ食品をバランスよく食べるのがお勧めです。たんぱく質を多く含む食品は肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など。あと、
ビタミンAは新陳代謝の促進や頭皮の乾燥、ふけやかゆみを防ぐ効果があります。食品としては、レバー、鰻、人参、青じそなど。
ビタミンB2は皮脂の過剰分泌を抑制します。牛乳、納豆、卵などです。
ビタミンB6はたんぱく質の吸収を促進します。カツオ、まぐろ、鮭、豚ひれ、鶏ささみ、赤パプリカ、サツマイモ、などです。
葉酸は頭皮の修復効果があります。いちご、ほうれん草、レバーなどです。
あとはビタミンC、亜鉛、ビオチン、が育毛に良いと分かっています。勿論、適度な量でお願い致します。こうして全体を見回してみると、身体自体を健康に保つ成分ですね。女性の場合は男性よりも髪を伸ばしていることが多くて、顔を彩る額縁のようでもあります。そこで、髪の艶や美しさが健康や美しさのバロメーターにさえなります。脳に近い頭皮から髪の毛は出てきているのですから、“死んだ細胞“と言わずに大切に扱いましょう。
艶やかな輝きのある髪、コマーシャルで美しい女優がモデルとなって髪を拡げて見せてお披露目をしています。同じ女性同士ですら“美しい”と思って眩しく感じます。
髪の状態は美しさだけでなく年齢も若々しく見せます。顔のお手入れが大変で手が回らないと言わず髪の毛のお手入れを頑張ってみてください。顔の肌は細胞のターンオーバーが1サイクル1か月でありますから時間がかかりますが、髪の毛はドライヤーや整髪料の手を借りれば数時間で見る間に艶のある髪の毛に見せることも出来ます。髪型やカラーリング、と肌よりもバリエーションを楽しめて大胆なアレンジが出来ます。コロナで自宅にいることが多くなった分、自分を新たに美しく飾ってみませんか。