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藤井七段の挑戦

祇園祭が今日始まり、前祭(さきまつり)の山鉾巡行で先頭を進む長刀鉾保全会の役員らが恒例の「お千度の儀」を行いました。今年は祭りのハイライトとなる山鉾巡行と神輿渡御は中止となったほか、様々な神事も人数を制限して行われるそうです。先日送り火も点灯で行われると発表されました。以前京都に住んでいたことがある私にとって、疫病退散を祈願するお祭りや無事息災を祈る大事な儀式が縮小されるとは非常に残念に思いました。ここ最近山鉾巡行も参加する人が減ってきたり交通整理をするのが大変で縮小を叫ばれていましたが、今回の新型コロナウィルスがきっかけで縮小傾向に拍車がかからないように祈るばかりです。

京都では、祇園祭は本格的な夏の始まりで送り火は夏の締めです。祭りの日の夜だけは、一晩中、国宝級のものが各家で披露されてそれを見に行くという建前で若い娘も夜歩き回るのを許されていました。運が良ければ、夏の恋の始まりです。送り火のと共に恋の火が消えるのか、それとも秋の人肌恋しくなる季節へとそのまま連なっていくのかは神のみぞ知るということですが、誰もが燃える夏を謳歌するのです。母親から譲られたのを洗い張りしたり、春に新しい浴衣を仕立てるため柄や帯を選んだりと蒸し暑い夏を涼やかに過ごそうとする知恵であり楽しみでもあるのです。手慣れた職人さんが仕立ててくれるのに1か月はかかるので、私も梅雨の始まる前に反物を見に行きました。肩にかけて顔映りをみたり、夜の灯には柄がどういう風に浮かび上がるかを教えてもらったり、うなじをどれ位あけるかとか細かい仕立ての打ち合わせなどの買い物の楽しみを教えてもらったのもこの時です。帯や団扇、草履は色ではなく一つのテーマを決めて合わせます。お店の方がその人の好みや雰囲気に合わせてある程度選んでくださるのですが、私の場合は、藍の地に紫陽花が絞りとロウケツ染めで贅沢に描かれていて浴衣にしては凝ったものでした。西陣の職人さんが趣味で染めたもので、もうこれ以上のものは手作業で創られることは今後ないし、染められる人もいなくなるだろうと言われました。帯は紫陽花色の薄桃色、団扇はカタツムリの絵で、草履は足に合うものがなかなかなくて黒漆で鼻緒を桃色で合わせてもらいました。祇園祭りの当日に靴擦れをしないように何回も履きならして夏を待ちました。毎年、浴衣を取り出す度に思い出します。その時、浴衣を着た後のお手入れも尋ねましたが、「細かいことを気にしはらへんでええの。じゃぶじゃぶ洗って大丈夫おす。洗えば洗うほど藍は呼吸して色が濃くなるから色落ちの心配はしなくて大丈夫ですえ。」と教えられました。あれから、古いものは30年以上経ってはいますが確かにそのままです。本物は変わらないのです。

日本の本当に良い文化が次の世代に引き継がれていくようにと願ってやみません。観光客の落とすお金で潤うのは悪くはありませんが、何故か身を売りに出しているような気恥しさがあります。日本人が文化をしっかりと見て守っていくのが本来の姿だと思います。海外に行くのも海外の製品を知るのも、やがて自身の国のものがいかに良いところがあるか気づくための布石としてであれば良いのですが。移動が制限されている今だからこそ身近にある自分の国の文化を見直してみませんか。

藤井聡太七段が17歳で白の着物に水色の羽織と和装を選んで、将棋の第61期王位戦7番勝負に挑んだのはとても新鮮でした。でも10代とは思えないほどの落ち着きと貫禄もありました。是非とも頑張ってほしいですね。

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