開業していて、学会などに行ける機会が少なく、更にコロナの問題で人との距離を取らなくてはいけない状況が続くと入ってくる情報が偏ったりマンネリ化してきます。医師同士のチャットも目を通していますが、中には本当かな?思える情報もあって、どういう人間かも分からない…つまりかなり信用のおけるものか、単に個人的見解で言っていて何の信憑性もなかったりすることもあります。
しかし、私には心強い味方、内科医の妹がいます。
新型コロナウイルスの問題が起きた時にも、一番に心配してくれてしょっちゅう連絡をくれています。
妹は
「マスクが足りないのでは?」と送ってくれたり、
「トイレットペーパーも郵送しようか?」と自身も忙しいはずなのにあれやこれやと面倒を見てくれています。数日前には突然
「お姉ちゃん、うつぶせに寝たほうがいいよ。」
と電話してきました。
「なんで?」
知識の乏しい私はうつぶせに寝た乳児がよく死んでいることしか思い浮かばなかったのですが、真面目な妹はすぐさま
「データを送るから読んでみて。」
とメールでCNN health (April 14,2020) の記事を添付して送ってくれました。
CNNのニュースは私も時々見ていたのですが、数日前南アフリカの国立公園で観光客がいないのでライオンたちがのんびりと道路に寝そべっている写真 “かわいい‼” を記憶しているくらいでした。(人間が腹ばいになって寝そべるのね。はいはい。)と思いながら記事を読んでいたのですが、成程と思いました。
記事を要約すると、
コロナで人工呼吸器に繋がれている40代の男性患者をうつぶせの体位に変えたところ酸素飽和度が85%から98%と劇的に回復したので、どうやらうつぶせの方が肺に酸素が入りやすいようである。
という内容です。
このうつぶせは麻酔科の専門だった私なんかは通称“プローン”と呼ぶのですが、普通の仰向けより面倒な手技(まず仰向けでチューブを気管に挿入してからチューブが抜けないように注意しながらうつぶせにする、背骨の手術などで使われる体位)なので、なんでそんなことをしたのかな?と思いました。現場ではおそらく絶えず色々な事を試しているのでしょう。おそらく、コロナで重症化する三大要素が“男性”“糖尿病”“体重の多い人”と言われていますから、男性患者はたぶん大柄でビール腹で(勝手な想像してごめんなさい!)大きなお腹が肺呼吸を邪魔しているようだから腹圧がかからないうつぶせを試してみよう、ということになったのではと思います。
コロナはとにかく呼吸の要である肺をどうするかがポイントのようです。
私、一応女性で糖尿病にはなっておりませんが、体重の多い人にはやや引っ掛かります。消耗疾患であれば脂肪をやや備えた人間の方が有利ですが、今回は“体力をつけておかなきゃ”と食べている場合ではなかったのです。あちゃ~