何かの危機が迫っている時には必ずヒーローが出現しますが、今回の新型コロナウィルスはクオモNY州知事という新たなヒーローを生み出しました。
この方、気難しくて近寄りがたいというイメージがありましたが、今朝の情報番組で取り上げられていましたCNNのニュースアンカーである弟とのインタビュー中の喧嘩は微笑ましいものがありました。63歳のアンドリュー知事と50歳のクリス司会者(コロナに感染して闘病中)が料理のレシピを軸にして”どちらがママのお気に入りか”と画面を通じて子供のようなじゃれあいをしている様子は流石イタリア系移民だなと思いました。
私はどこの政党を支持するというのはないのですが、最近クオモ州知事の演説は楽しみにチェックしています。とにかく恰好いいのです。
あるニュースでは、市民がコロナで恐れおののいているところに、マスクの入った段ボール箱を背中にしょって「マスクはここにある‼‼心配するな!」とマイクの前で叫んだとか。
3月31日の新型コロナウ対策定例記者会見での
「新型コロナウイルスは、国境も人種も貧富の差も超えて感染する【驚異的に人類を等しくするもの】」というくだりは本当に胸にジーンときました。
クオモ知事の演説は数字を効果的に使い、データに基づいて緊急性を訴えるという分かりやすさが受けているのだと思います。平時でははっきりものを言い過ぎると煙たがられていた感はありましたがここにきて彼の得意とするところが遺憾なく発揮されています。危機管理についても、優先順位の有用性を訴えてトランプ大統領を非難し、いまや圧倒しつつあります。
更に他者に対する感情移入と配慮が優れているようです。初めに述べました兄弟喧嘩もおそらく見ている人々が、コロナの脅威に脅かされている中で家族との繋がりがどんなに大切かを感じるようにとの半ばネタだと思います。
気持ちが弱っている時に、強気でぐいぐい引っ張ってくれて、そうかと思うと優しく語りかけてくれる。これはコロッと落ちますよね。
日本は日本でのやり方があるとは思いますが、リーダーシップに関しては少し弱いように思えます。戦時中の軍国主義のようにならないよう細心の注意を払っているためでもあるでしょうが、もう少し暴走してもいいのではと思います。非常事態宣言は遅すぎたと思います。決算期がどうのこうのと言っている場合でなく2月、遅くとも3月23日にはするべきだったと思います。3月1日に保健所では「港区はコロナ感染者は0です。」と言っていましたが、湾岸の会社では既に感染者が出たということで2万人がテレワークに切り替えられていました。何故報道されなかったのでしょう。オリンピックを開催したいために認めたくなかったのでしょうか。オリンピック開催が中止決定になった途端に感染者数が増えましたが、気のせいでしょうか?今日は1日の感染者数が200人を超えました。このままだと5月6日から延長せざる得ないと思います。その危機感で緊急事態宣言を全国に拡大させたのでしょうがこうも拡大してしまっては1~2か月での終息は難しいでしょう。ある海外の研究所データでは2022年までかかるとなっています。
もし5月6日から延長したら、コロナ慣れと自宅待機のストレスでおとなしく家にいるのをやめて若者は特に反乱を起こすかもしれません。やっと静かになった渋谷の交差点が香港のようにデモの人で埋め尽くされるかもしれません。
その時点でやっと日本にもヒーローが登場するかもしれません