日々報道される新型コロナウイルスに感染のニュースで委縮してしまっている方は多いと思います。なるべく不要なニュースは見ないようにしている私でさえ時間の流れがおかしくなっています。時間を気にせずに調べ物をしていて朝と夜が逆転してしまったり、曜日が定かではなくなったりと、やはり平常心ではないと思います。
非常事態宣言が発令されてからというか、その前から徐々にテレワークやお店が少しづつ営業時間を短縮したりと周囲の様子が変化して来ました。同じ街であるのに何か光景が違ってきているのです。たった数か月でこんなにも周囲の雰囲気や人の考えが変わるなんて思いもしなかったです。
今は、仕事が激減して収入が少なくなったり職を失ってしまったという人までいて経済が破綻するという悲惨なニュースが繰り返されていますが、そういう事ばかりに目を向けて落ち込むのは本当に無駄だと思います。大きな流れの中、こういう災害は何度となく周期的に起こっていて、ヒトは其の度に知恵を付けて立て直したのです。
今回に関しても、強制的にテレワークや出歩かないなどの縛りで、「あれ？」今迄はこうだと思っていたけれども実は変換しても出来るんだ、と気づかされた部分もあると思います。早朝に眠い目をこすってスーツを着て満員電車に揺られて1時間、会社のパソコンをずっと見ながら昼休みを待つ。コンビニで新製品を物色した後ワンコイン弁当を口に入れて午後の仕事に突入。残業があれば再び疲れた体で自宅に帰還。ある統計では、職場への通勤時間や出勤するための身だしなみの経費や時間は個人の人生としては無駄でしかないと指摘されていました。確かに自宅又は徒歩圏内で仕事があり普段着で仕事が出来たら……今回はその実体験です。街も至る所にコンビニがあり24時間開いている。必要なものをネットで注文すれば、早ければ30分で届く。全国どこに行っても同じチェーン店が同じ間隔で出店している。便利ではありますが、個性がなくて、見慣れてくるとそれすらも感じなくなり存在しているのが当たり前となってしまっていたのです。電車をひっきりなしに走らせ始終パソコンを起動させ、店を24時間開けて維持する労力は総て限られたヒトの命を細断した時間から来ています。世の中が進んで本当に便利で住みよくなったのでしょうか？
昭和の高度成長期に三種の神器として冷蔵庫、洗濯機、テレビと言われていましたが、現在はそれ以上に便利な機械が揃っています。それでもヒトはいまだにあくせく働いていて一向にゆとりのある生活をしているようには見えません。
何故なら、便利と言われる機器を維持するために働き、それで時間と労力が失われているからです。スマホが無ければ、スマホを購入してさらに毎月支払うお金は必要ありません。スマホを見たり検索する時間も必要なくなります。眼も疲れないので眼精疲労や視力低下やドライアイの進行も少なくて済みます。ついでに不眠症も解消されます。ラインでの仲間外れなどの虐めも起きません。まあ人間の性としてスマホが無くなっても他のもので同じ現象は起こるかもしれませんが、少なくとも今現在有る弊害は減るでしょう。
資本主義（最も成功した社会主義の国と影では言われていますが）の国で生活しているので経済が上手く回っていけばいいとは思いますが、あまりにも過剰になりすぎて限界が来ていたのではないでしょうか。このコロナでの問題で悲観的にばかりなるのではなく、気づかなかった、気づけなかったものを見直す良い機会として過ごすべきだと思います。もし神様がいるのであれば大変な試練を与えてくれたとは思いますが、全てを明日に生きる糧にすべきだと思います。こう言っている私でさえ簡単なことではないと感じています。しかし“出来る！”と思えば出来ます。
太平洋戦争後、マッカーサー元帥が日本に降り立って初めに見た光景は、人々が生き生きと走り回っている姿でした。敗戦で意気消沈して何も手につかない人々を目にすると思っていたのに、目の前でリヤカーに荷物を載せて次の生活を始めようと頑張っている人々の姿が至る所にあったそうです。勿論、家族や財産を失い自身も傷ついていたでしょうが皆頑張ったのです。1964年東京オリンピックが日本の復活の象徴でした。今回のオリンピックは1年後になり、現在の状況ではコロナの問題が終息してたどり着けるかは分かりませんが、そこに到達させるのはみんなの力なのです。諦めてはいけません。一歩一歩確実に前に進むのです。
