最近はあわただしくて芸術のげの字も感じられない毎日です。
以前、他のところで書きましたが、10代は油絵の画家になりたくて
芸大をめざしたこともありました。
その頃の17歳の時に描いた油絵の1枚をクリニックの待合室に飾っています。
絵と医学は関連性が無いように思われていますが、
写真の技術がまだ発達していない頃は、写実絵として医療の資料としては
欠かせないものでした。もちろん芸術として残っている絵画も多数あります。
有名なものとしてはレンブラントの「テュルプ博士の解剖学講義」。
ネットで検索してご覧になられると、一度は見た事あるとうなずかれる方も
いらっしゃるでしょう。構図としては単純なように見えますが、
実は良く見ると遺体を見ている見学者の視線が微妙にずれているのです。
レンブラン程正確に描きこむ画家が何故?この謎を解く鍵は〝時代”。
この時代は1人1人お金を出し合って自分の自画像を描いてもらう方法が流行していました。
1枚丸々だと高額なので分割して1枚の絵に描き込んでもらう群像画という手法です。
なので、1枚の絵というよりいくつものピースを合わせたものなので
視線が一点に集まっていないのです。
あと、遺体の左腕は、解剖学的には右腕の方向で描かれているようです。
あきらかに間違いなので、ちょっと面白いですね。