今日は朝からサラサラした雨が降っています。
昨日のジメッ…とした天気よりは潔く降ったほうが過ごし易い気がします。
雨が苦手な人もいるでしょうが、私は庭に水をまく手間が省けるので大歓迎です。
雨に濡れた庭は奥行きが出て一層美しく引き立ち、木々も生き生きして見えます。
オレンジシャーベット色のつるバラが次々と咲きはじめ、
時折フワーッと香りがします。
ちょうど1年前の今頃那須にバイトに行った時、
Coppice Gardenというところで
3m近いやせっぽちの苗を1500円で購入して連れて帰りました。
園芸歴の長い私でもバラは手間がかかり難しいのでなかなか手を出さなかったのですが
今年無事に咲いてホッとしました。
遡ること小学校の入学前、引っ越しをしました。
隣は有名な会社の社長宅で大きなお屋敷でした。
たまたまそこのお孫さんが私と同じ年で家族ぐるみでおつき合いが始まり、
特に私は裏口から出入り自由でした。
ただし裏口といっても戸は立派な木製で取手はライオンの顔
門は真っ赤に咲きほこるつるバラのアーチ。
戸を開けると一面のバラ。まるで天国のようでした。
母が仕事でいないことも多かったのでしょっちゅう遊びに行って
孫のⅯちゃんがグランドピアノでレッスンをしている間
私は自らバラの手入れをしている社長婦人のそばで花が痛まないよう
カナブンを取り除いたり、あぶらむしを素手でつぶしたりと
少しばかりお手伝いをしていました。
時々、帰りにお花や外国製のキャンディーやチョコレートを頂いたりと
実の孫のように可愛がっていただきました。
数年してバラ好きの社長婦人のために3万㎡の広大なバラ園を
ご主人がプロデュースしました。
開園の時、招待されその後も何回か訪れましたが
あの丹精込めた美しいバラにはお目にかかれませんでした。
魂の入ったあのバラは人の真心が魅せる一瞬の幻のようなものだったのかもしれません。
それでも、それに触れることが出来た私の子供時代は非常に幸せなものだったと思います。