新型コロナウィルスに感染後、体内にどんな抗体がどのくらいの期間残るのか、新型コロナ感染症の回復者を対象にした研究プロジェクトが来月から始まります。
回復者を募り、発症日から半年後と1年後の2回、微量の血液を採取して抗体の有無と抗体が新型コロナ感染を防ぐ作用がある「中和抗体」かどうかを調べるようです。「中和抗体」があれば免疫が出来たということになり、再び感染しにくいとされていますし、将来的に集団免疫が獲得されれば感染が収束すると言われています。
よく考えれば、新型コロナウィルスで大騒ぎし始めてから1年も経っていないのです。1年どころか、やっと半年くらいです。あまりにも急激に世界が変化したのでもう何年も経ったような感覚に陥っていました。春頃は、通常のウィルスは高温や湿度に弱いので、インフルエンザウィルスと同じような特性を持っていれば、梅雨の高温多湿の条件を嫌うのでうまくいけば事前消滅するのではという期待が持たれていました。しかし、途中で新型コロナウィルスに熱を加えて死滅するかの実験を行ったところ、熱の影響を受けない反応が出ました。
“もしかして一年中感染のリスクは一定なのかもしれない”
と絶望的な未来予想図が描かれて、それに対して
「まさか、そこまで悲観的にならなくても。マスコミは大げさに書き立てるんだから。」
と私は夏に感染者数がうなぎ上りになるとは思いませんでした。
第2波は第1波よりも大きくなるという予想は残念ながら当たり、7月に入ってから4月に見られた第1波などのピークを越えて1日あたりの新規感染者数が過去最多を更新しています。こうした中で都市部から地域に広がる形で感染の拡大がみられ、その上世代間での感染の拡がりも懸念されています。都内では20~30歳代の若年層が約6割を占めて、感染経路が把握できない人が全体の3分の2に迫っているようです。空気感染の可能性も捨てきれないようですから、どんな場所でも状況でも感染する可能性はあります。
感染ゼロだった岩手県も県内でついに初めて新型コロナウィルスの感染者が確認されましたので、どこに居たら安全という神話はもう存在しません。でも、長い間感染者ゼロを維持していた岩手県の達増知事は記者会見で
「第1号になっても県はその人を責めません。」
と話していたそうです。確かに、これだけ感染者ゼロが有名になっていたら、感染でもしようものならマスコミは誰がそうなのか躍起に特定して、独占インタビューとかしそうですし、隠してもSNSで拡散されて不名誉な輩としてあれこれと書き立てられそうです。
心配なのは、神経が細い人ならばコロナの感染でのストレスと周囲の白い目でノイローゼになり自殺まで追い詰められないかなということです。
これから、第1波よりも感染力と死亡確率が上昇するというのは当たって欲しくないです。最近は新型コロナに感染して回復した後の後遺症の報告やデータが徐々に出始めました。まだ1年も経っていないため、やっと分かり始めたのです。データが無く書かれていないため、新型コロナ感染後に回復したらインフルエンザと同様に以前と同じように元に戻るというイメージを持っている人もあるかもしれませんが、かなり後遺症に悩まされている人が多いようです。重症化した人は社会復帰するのに数か月も時間がかかっていたりします。本当に厄介です。
滋賀医科大学の研究チームは、
“カニクイザルを新型コロナウィルスに感染させて発熱や肺炎などの症状を人間以外の霊長類で再現に成功した”
と発表しました。これは国内初で、ワクチンや治療薬開発に役立つそうです。感染させたくても感染しないのも厄介だったわけですね。